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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

大中小の目標設定

 さて、前号で述べたように、モチベーションを維持することこそが成功の秘訣だと思うのだが、私はとにかく、英会話をなんとかしようと思ったときに、真剣にこれを考えた。

 そこでやったことのひとつは、「大目標の具体化」である。
 10年で通訳ガイド試験に受かろう、と私は思った。 今は“ガイジンだああ”のレベルであっても、10年みればどうにかなるだろう。 通訳ガイドにものすごくなりたかったわけではないが、定年やら年齢制限やらのない職種だから10年たってもなれる可能性がある。 それにとにかく、通訳ガイドは現時点で日本の公式の語学検定(国家資格である)としては 一番高度なものらしい。
 ものすごく計画性があるわけではない私としては、それ以上のことは考えなかった。 たとえば、それをするためには2年目で英検○級に受かって、その後○級を受けて、なんてことも考えなかったし、別に通訳ガイドの学校に行きもしなかった。 毎年試験を受けたりもしなかった。その目標は、いわば私のガイディングスター(案内星)であり、とにもかくにもそっちの方向に向かって歩けばいいや、というくらいの位置づけだったのである。 具体化といってもそんなものだ。だが、漠然と「英語話せたらいいなあ~」というのよりははるかに具体的だと思う。 目標を具体的にすると、「努力」の焦点が合う感じがして、やっていて手応えがあるのだ。
 結果として私は9年目に初めて実際にその試験を受け、めでたく一発合格してその目標を達成することができたのだが、むしろそういうイージーゴーイングな感じが勝因だったと今も思っている、がそれについてはまた別の項目で書くかもしれない(その試験の話もけっこう笑えるのであるよ、いずれ書く、お楽しみに)。

ただ、私はその目標に至る道でさっさと英会話講師の仕事も始めているので、それを差し引いて考えると、やはり普通には、大目標に至る道に小さめの中目標を置く必要はあるのかも、と思う。 単純に考えれば英検やTOEICのテストが簡単に設定できる目標だとは思うが、それは人によって様々でありうる。

それから、そのときそのときの「小目標」も大切。これは前に述べた、いちいち「分かった!」感を得るということに当たる。1日にひとつ、短めの会話を暗記する、ぐらいの課題がいいかもしれない。私自身は、NHKのラジオ英会話の番組を利用した。 それ以前にもNHKのラジオ講座には何度もチャレンジしたが、ご多分に漏れず挫折している。 家には4月号(たまに5月号も)のテキストだけが山積という有様。 

だが、 一念発起した私は違った。 何度も言うようだが、「どうやったら毎日続けることができるか」ということをまず真剣に考えたのである。 その結果、前に書いたように、ただ受け身で聞くのではなく課題性を持たせることがいいのでは、という結論になった。 具体的には単純なことで、テキストをいきなり見ない、ということだ。
 番組ではまず、その週のスキット(寸劇)が全部流れる。 その後、その日の割り当て分が取り上げられて再度流された後、日本語で解説される。 いわば、そのまま聞いていればすぐに「答え合わせ」がされるということになる。そこで「ほーらね」にしても「あ、そうか!」にしても、それなりの快感が得られた。 それをしばらく続けていたら、だんだんと、最初に聞いただけで分かる範囲が広くなっていくのが分かり、「進歩してる!」快感が得られるようになってきた。
 そのうちに、その日の基本例文、としてとりあげられる2つの英文を覚えて、あとになって思い出してみて、ちゃんと覚えているかをテキストを見て確認するという作業を加えた。 覚えていれば「ほーらね」であり、少し忘れていても「あ、そうだった!」である。 さらに経つと、基本例文だけではなくスキットのその日の割り当て分全部を覚えることもできるようになっ ていった。 覚えるといっても、その日の朝に聞いたものを夜に再現できるか、という程度のもので、翌日にはすっかり忘れていても気にしない。

 こう書くと、いかにも私が熱心に勉強したようではあるが、実際のところ、「ただ聞き流す」という受け身で容易な方法よ りも、ちょっとした課題があるほうがはるかにモチベーションは持続することがその体験から分かった。 初めのうちこそ、多少は自らをむち打って頑張るような要素も必要かもしれないが、一度習慣になってしまえば後は楽である。 そして、そうこうしているうちに、始めたばかりの時より進歩していることを実感して、それ自体が楽しくなってくるのだ。

 再度言うが、習慣にすれば楽になる。 習慣にするためには、「短い時間」で「毎日」が基本である。その当時は会社つとめをしていたので、通勤の約1時間のうちの一部が私の勉強時間になった。 ラジオ番組自体はとんでもない早朝にやっていて私にとってはリアルタイムではとても聞けなかったが、自動でテープに録音されるようにセットしておいて、それをウォークマンで聞くようにしたのだ。

ただ、あまり完全主義にしなかったのもある意味で「勝因」だったと思っている。
通勤途中で近くに住んでいる同僚とば ったり出会えば、そのままおしゃべりしながら会社まで行き、その日の勉強はキャンセルである。ものすごく眠くて仕方が ない日(たまたま始発駅だったのでたいがい座れたのだ)や、二日酔いで頭が痛い日も、あっさり挫折。
自動録音されるテープも、30分テープ1本しか用意しなかった。15分の番組なので、片面を使い切る。両面使える のだが、その日のうちに聞けなかった番組はもう無視した。2日続けて挫折したら、最初の面にはもうその翌日の番組 を上乗せしてしまう。絶対に「きょう聞けなかったから、そのうち聞こう」とばかりにテープをとっておいたりしないことにした。 これがかなり良かったのではないかと思っている、ヘンな話だが。聞けなかったテープをとっておいたりすると、それがたま ってきて、ストレスになる。前のを聞かなければ後のは聞いてはいけないような気がしてきたりもして、結局どんどん押せ 押せで、その日の番組も聞けなくなる。私は下手をすると完全主義的になりがちな性格でもあるので、それをあえて 押しとどめるように意識した。サボるときはサボる、でも次の機会には気を取り直して、機嫌良く、あらたな気分でまた 取り組もう。
(まあ、もはやカセットテープにラジオ番組を録音、なんてことはなくなっているだろうから、上の方法をそのまま当てはめることはできないが、「執着しない」という例だと思って読んで欲しい)

そんなこんなで、いい具合に手を抜きつつ、そこそこは一生懸命に、私はその会社を辞めて通勤しなくなるまで3年間 、ラジオ英会話講座を聞き続け、かな~~~りそれが功を奏したのであった。
(もちろん、それだけではなく、しっかり英会話学校にも行ったのだ、それについては後述する)

「やるときゃやるじゃん!」てな具合に自分に対して自信もついたのではあるが、その後、「そんじゃこれでスペイン語とか もスイスイと、ラジオ講座聞いて」と思って手を出すが、やっぱり4月号の山、になってしまってどうも上手くない。やっぱり 、具体的な目標とやらを設定していないせいかもしれない。ちょっとモチベーションが弱いんだよね。
(上のオリジナル文章を書いたのは2004年ごろ。けれど2007年現在はまた「ポルトガル語」にチャレンジし始め、かなりうまくいっている。それについては後日また書く)

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